またもすごいニュース!鍵山優真選手が世界フィギュアスケート選手権で2位の快挙!!シニアデビューのシーズンかつ世界選手権初参戦で、世界選手権のメダル獲得は近年では浅田真央さん以来ではないでしょうか。
鍵山選手がすごいのは、シニアデビューシーズンにもかかわらず、ジャンプだけではなく、スケーティングやスピンも高い技術を備えているところ。
最近のフィギュアスケートのルールでは、ジャンプが重要視され、高難度のジャンプをいかに完成度高く飛ぶかで勝負が決まってしまう部分があります。
しかし、上位選手だけに絞ると、ここで差がつかない場合に大事になってくるのがスケーティングやスピンです。そして、加点のつく美しいジャンプを飛ぶには、ジャンプのスキルや身体能力の他、スケーティングスキルも重要な要素の一つなのです。
スケーティングに注目して鍵山優真選手の魅力を語っていきたいと思います。
鍵山優真選手のフィギュアスケートの魅力
鍵山優真選手のスケーティング技術が磨かれていたった経過や、スケーティングスキルが高いと有利な理由、世界的な評価について紹介します。
鍵山優真選手のスケーティングは積み上げの賜物!
鍵山優真選手の現在のコーチは、鍵山選手のお父さんの鍵山正和さんと元アイスダンス選手の佐藤操さんです。鍵山正和さんは、元フィギュアスケート選手で、世界選手権6位入賞の実績とオリンピックへの出場経験があります。
鍵山選手は、5歳でフィギュアスケートを始め、この頃からスケーティングの基礎を徹底的に教えられたようです。インタビューでコーチの鍵山正和さんも、コンパルソリー(氷上を滑走し、課題の図形を描くこと)の基礎をとにかく徹底させてきたと語っています。
もう一人のコーチである佐藤操さんも「まず、安定した滑りをジュニアのうちに身につけておこうという鍵山先生の教えがもともとあった」とインタビューで語っていたので、17歳の若さであのスケーティングというのもうなずけますね。
スケーティング技術を磨くには早い方がよい
フィギュアスケート選手を長年色々見ていると、スケーティングは、スケートを始めた年齢が早い方が圧倒的に有利だと感じます。
そして、早くからよいコーチに基礎的なスケーティングを徹底的に仕込まれている選手の方がスケーティングスキルを評価され、それがプログラムやジャンプ・スピンの評価にもつながっていますね。
スケーティングを評価された男子シングル選手の一例
スケーティングを評価された男子シングルの選手で思いつくのは、小塚崇彦さんとパトリック・チャンさんです。2人ともすでに引退されていますが、現役時代はそのスケーティング技術を高く評価されていました。
小塚崇彦さんは、元男子シングルフィギュアスケート選手。世界選手権で銀メダルを獲得したことのある選手です。小塚崇彦さんもお祖父さん、お父さんが元フィギュアスケート選手で5歳よりスケートを始め、幼少期よりお父さんにコーチをうけています。
パトリック・チャンさんは、カナダの元男子シングルフィギュアスケート選手です。世界選手権で3度金メダルに輝いた実績があります。
パトリック・チャンさんも、5歳でスケートを始め、最初のコーチであるオズボーン・コルソンさんから徹底的にコンパルソリーを練習させられたようで、後年、高いスケーティング技術を評価される選手なりました。
スケーティングスキルが高いと演技構成点やジャンプでも有利
スケーティングのスキルが高いと、ジャンプやスピンの間に複雑なステップなどを取り入れることができるので、演技構成点が高くなります。
フィギュアスケートは、大きく分けると技術点と演技構成点で評価され、演技構成点は表現面での優劣やスケーティングスキルそのものを評価する点数です。
また、ジャンプにおいてもスケーティングとジャンプの技術が高い選手は、ジャンプの前に複雑なステップなどを入れることが可能です。鍵山選手を含めた上位の選手は、ステップのあと少ない助走でジャンプを飛んだりしますよね?ああいった動きは演技構成点と共にジャンプの評価も高くなります。
スケーティングスキルが高い選手は、複雑なステップからジャンプを飛ぶ場合も、スケーティングに安定感があるので、ジャンプの入りからスピードを落とさずに飛ぶことができてジャンプの評価につながるのです(ジャンプの種類やシチュエーションによってどうしても減速しないと難しい場合もありますが)。
ジャンプは速度を落とさずジャンプに入り、着地後も速度を落とさず演技につなげていく方が評価が高くなります。鍵山選手は、ジャンプの入りでスピードが衰えない素晴らしいジャンプを見せていますね。すでにジャンプでは高く評価されている羽生選手に迫るものがあります。
鍵山選手の今期のプログラムでは、高難度のジャンプの他、複雑なステップや動きもたくさん入っていてますが、安定感をもってこなしています。難しいプログラムを、自分の表現として魅せてくれる力もありますね。
鍵山優真選手のジャンプは独特?
ダイナミックで美しい鍵山優真選手のジャンプですが、コーチの鍵山正和さんによると、鍵山優真選手のジャンプは体重移動が独特の飛び方らしいです。
詳細は企業秘密とのことですが、そのジャンプは、高いスケーティング技術があってこそだそう。小さいころから、スケーティングの基礎を磨き教えてきたことなので、急にできるものでもないそうです。
スケーティングの基礎が徹底されていることが、鍵山選手の素晴らしいジャンプの秘密なんですね。
世界屈指の振付師、ローリー・ニコルさんに評価される
鍵山選手の今期のプログラムの振り付けは、ショート・フリーともローリー・ニコルさんが担当されています。ローリー・ニコルさんは、浅田真央さんやカザフスタンのデニス・テンさん、高橋大輔選手、カロリーナ・コストナー選手、宮原知子選手などに振付を行った実績のある世界的な振付師です。
ローリー・ニコルさんは、彼女が納得するレベルのスケーティング技術を持っていないと振付してくれないことでも有名な人。
現役時代の浅田真央さんが大会で彼女のプログラムを難なく滑ってしまう上、浅田真央さんのもう一人の振付師であったタチアナ・タラソワさんが難易度の高いプログラムを作る人だったのであまり目立ちませんでしたが、ローリー・ニコルさんのプログラムもまた難易度は高いです。
そんなローリー・ニコルさんに若くしてプログラムを作ってもらえる鍵山優真選手は実力が認められているということでしょう。
鍵山優真選手の適応能力の高さに脱帽!
鍵山優真選手の今期のフリーのプログラムは、今シーズン途中からの変更です。もともとはコーチである佐藤操さん振付の「ロード・オブ・ザ・リング」を滑っていました。
シーズン途中からプログラムを変える選手はたまにいますが、殆どが以前、滑っていたプログラムに戻すというものです。シーズン途中で新しいプログラムにすることは稀です。
シーズン途中で新しいプログラムに変更するのは本当に難しいのです。しかも、東日本選手権までの準備期間はわずか1カ月!
全日本選手権の前におこなわれる東日本選手権で、ローリー・ニコルさん振付のフリープログラム「アバター」が披露されましたが、鍵山優真選手は東日本選手権では、ジャンプやステップで失敗してしまい、よい演技ができませんでした。
しかし、全日本選手権では、きっちり滑りこなしてきて見事3位を獲得。そして世界選手権では、フリー2位、総合2位で表彰台です!すごい適応能力を見せてくれましたね。ただただ脱帽です!
鍵山優真選手のフィギュアスケートの魅力まとめ
スケーティング技術の高さを武器に一躍、世界トップレベルまで駆け上がった鍵山優真選手について解説してきました。シニアデビューのシーズンかつ世界選手権初参戦で2位はすごい成績です!まだ17歳と若いので、今後も着実に成長を続けていくことでしょう。
今後の活躍に期待大です!今回の世界フィギュアスケート選手権2021の放送を見逃してしまった人や、地上波では放送がなかったアイスダンスやペアのショートプログラムの競技映像を見たい場合は、こちらの「FODプレミアム」で見られます。