この記事では、硝酸態窒素ゼロの安全なミネラルウォーターを手に入れる方法について解説します。
昨今話題になっているミネラルウォーターの硝酸態窒素ですが、硝酸態窒素ってそもそも何なのか、どうしてゼロがいいのか、などよくわからない人もいるのではないでしょうか。
水道水ほど、規制が厳しくなかった過去があるミネラルウォーターにおいて、その安全性はかなり重要です。水は毎日大量に飲むものですし、直ちに影響がないからと言って無視できるものではありません。
硝酸態窒素について理解し、硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターを知り、測定方法なども理解することによってあなたは安全なミネラルウォーターを手に入れることができます。
この記事で紹介する内容は以下です。
- 硝酸態窒素とは何か
- 硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターのメリット
- 硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーター紹介
- 硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターの探し方
私は、数年前に硝酸態窒素のことを知ってからかなり調べて、これから紹介する測定方法や安全な水の探し方に行きつきました。今では、硝酸態窒素ゼロの安全なミネラルウォーターを手に入れることができています。
誰でもできる簡単な方法なので、このサイトを訪れてくれた健康意識の高いあなたにはぜひ読んでいただきたい内容です。少し長いですが、最後までお付き合いください。
硝酸態窒素って何?ゼロのミネラルウォーターのメリットは?

硝酸態窒素は、土壌中で肥料や生活排水、植物のたんぱく質、動物の糞尿などが、微生物分解されて生じる物質で、植物の成長に必要な栄養素です。
農作物を育てる際は、よく育つように肥料を与えますが、この肥料は硝酸態窒素を生じます。また、生活排水や動物の糞尿に含まれる物質が環境中に放出されて土壌に吸収されると、やはり硝酸態窒素を生じます。
この硝酸態窒素が植物や作物に吸収されなかった分は地下に浸透していき、地下水を汚染してしまうのです。
硝酸態窒素の影響とは?
硝酸態窒素が問題視されるのは、「酸素欠乏症を引き起こす可能性があること」「発がん性物質を生じること」が理由です。
動物が大量の硝酸態窒素を摂取すると、体内で亜硝酸態窒素に還元され、血液中のヘモグロビンを酸化し、メトヘモグロビンに変化します。
メトヘモグロビンになると、酸素と結合できないので血中の酸素濃度が低下し、酸素欠乏症を引き起こすのです。
この現象は人間も例外ではなく、乳幼児ではさらに起こりやすくなります。体が小さくメトヘモグロビンをヘモグロビンに還元する酵素がほとんどないなどが理由です。
乳幼児が硝酸態窒素の過剰摂取で酸素欠乏症になる症状は「ブルーベビー病」とも呼ばれています。
そのうえ、体内の消化器官で吸収・還元され、アミドやアミンといったタンパク質と結合することで発がん性物質を生じる問題があるのです。
規制はどうなっているの?
ミネラルウォーターの硝酸態窒素の規制値は、「亜硝酸性窒素:0.04mg/L以下であること」「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素:10mg/L以下であること」という基準があります。
(厚生労働省:食品別の規格基準より:https://www.mhlw.go.jp/content/000420821.pdf)
これは、「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素:10mg/L以下であること」というのは国内の水道水の基準と同じ基準値です。ミネラルウォーターだからと言って厳しい基準が設けられているわけではありません。
しかも以前のミネラルウォーターの硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素基準値は、水道水よりも緩かったこともあって、確かに基準値以下ではあるのですが、硝酸態窒素に汚染されているミネラルウォーターが出回ってしまっているのが現状です。
硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターのメリット
硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターのメリットは、「酸素欠乏症を引き起こす可能性がないこと」「発がん性物質発生の心配がないこと」があげられます。せっかくお金を出して購入するのですから安全なミネラルウォーターがいいですよね。
硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターの紹介
商品名 | 富田の水 | 金木の華 | 水彩の森 | Vittel |
---|---|---|---|---|
メーカー・販売元 | 株式会社南紀白浜富田の水 | 株式会社ケイ・エフ・ジー | 黒松内銘水株式会社 | ネスレ(日本国内販売終了のため並行輸入のみ) |
公式サイト価格 | 20L・1箱:2,180円、1.3L・8個入・1箱:1,460円(いずれも送料込・税込・関東/信越地方配送の場合) | 1L・12本入:2,216円、2L・8本入:2,056円、500ml・24本:3,369円(いずれも配送料別途・2箱以上注文で送料無料) | 2L・6本・2箱:3,360円、500ml・24本・2箱:1,296円(いずれも配送料別途) | (ネット通販価格一例:1.5L×12本;2,981円) |
単価(1L当たり) | 1.3L・8個入りの場合@140.4 | 2L・8本入の場合@128.5 | 2L・6本・2箱の場合@140 | 1.5L×12本の場合@165.6 |
採水地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町十九渕字免の内778番地の2 | 島根県金城町 | 北海道寿都郡黒松内町字豊幌 | フランスロレーヌ地方・ヴィッテル村 |
硬度 | 56 | 50 | 105 | 307 |
PH | 8.1 | 8.2~8.4 | 7.9 | 7.0~7.3 |
製品形態 | 20L・10Lコック入り(簡易サーバー)、1.3L・8個入り(ビニールパック個包) | 2L・1L・500mlペットボトル | 2L・500mlペットボトル | 1.5L・500mlペットボトル他 |
成分(100ml中) | ナトリウム:1.3mg | ナトリウム:2.6mg | ナトリウム:1.78mg | ナトリウム:0.73mg |
カルシウム:1.8mg | カルシウム:2.0mg | カルシウム:2.72mg | カルシウム:9.1mg | |
カリウム:0.07mg | カリウム:0.04mg | カリウム:0.49mg | カリウム:0.49mg | |
マグネシウム:0.38mg | マグネシウム:0.004mg | マグネシウム:0.94mg | マグネシウム:1.99mg | |
サルフェート:1.5mg | サルフェート:10.5mg | |||
シリカ:2.3mg |
ここからは、硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターを紹介していきます。ウォーターサーバーなどでも硝酸態窒素ゼロをうたっているミネラルウォーターはありますが、この記事ではネット通販を含む小売店舗で買えるものを紹介しています。
メーカー・販売元が硝酸態窒素ゼロを表明しているミネラルウォーター
この項では、メーカーもしくは販売元が公式サイトに記載したり、パッケージに明記する形で硝酸態窒素ゼロを表明したりしているミネラルウォーターを紹介していきます。
富田の水
私が普段飲んでいるミネラルウォーターの一つです。ミネラルバランスがよく、飲みやすいと思いますが、日本のミネラルウォーターとしては、やや硬め(硬度が高い)の水なので、もしかしたら飲みにくいと感じる人もいるかもしれません。
「富田の水」は、水からもミネラルを摂取したい私にとってはとてもよい商品でしたが、唯一の欠点はペットボトル入りの製品がないことです。
ペットボトル入りの製品がないので、持ち歩きには水筒にうつしたり、家で飲む場合も段ボールに簡易サーバーパックが入ったサーバータイプを購入して都度コップやピッチャーに汲むか、袋タイプを購入して空いたペットボトルやピッチャーに移したりするなどして使う必要があります。
袋入りの製品を上手に利用するに移すには、専用のピッチャー付きの製品を利用するか、漏斗やじょうごなどで空きペットボトルや家庭内にある容器に移すとよいでしょう。
金城の華
日本のミネラルウォーターとしては、やや硬めの水ですが、「富田の水」よりも飲みやすいと感じます。「金城の華」の製品形態は、2L・1L・500mlのペットボトルがあるので、持ち歩きや開封後の保管には困りません。
「金城の華」の唯一の欠点は、マグネシウムの含有量が非常に少ないことです。水からもミネラルを摂取したい私にとってはこの点がネックでしたが、そこを気にしないのであればおすすめです。
メーカー等では表明無しだが測定結果はゼロのミネラルウォーター
この項では、メーカー等では硝酸態窒素ゼロを表明していないけれども、過去に測定した人がいて硝酸態窒素ゼロが判明しているミネラルウォーターを紹介していきます。
ただし、メーカーや販売元が表明しているわけではないので、採水地が変更になった場合は評価が変わってしまう可能性もあります。
水彩の森
「水彩の森」の採水地である北海道では、スーパーなどでも見かける非常にメジャーなミネラルウォーターだそうです。日本のミネラルウォーターとしては硬めの水で、中硬水に分類されますが、ミネラルを豊富に含んでいるのに飲みやすく美味しい水だと思います。
私は、外出先などで500mlペットボトルのミネラルウォーターを飲むときは「水彩の森」を飲んでいます。測定の結果、硝酸態窒素はゼロだったようですが、懸念は泊原発が約30kmの距離にあることです。
気にするかどうかは個人の判断になるかと思います。メーカーにて放射能検査は行っており、放射性ヨウ素と放射性セシウムは不検出です(検出限界0.4Bq/kg・2020年8月調べ・公式サイトより引用)。
Vittel
フランスが採水地の「Vittel」は、日本のミネラルウォーターと比べると、とても硬めの水でミネラルも豊富です。こちらも測定した人がいたようで硝酸態窒素はゼロが判明しています。
「Vittel」は、かなり硬度が高いので、硬めの水が苦手な人には飲みにくいのがネックです。コントレックスほどではありませんが、えぐみや酸味が感じられます。
また、硬度が高い水なので、米を炊いたり、昆布で出汁をとったりするのには向いていません。また、硬度の高い水は内臓に負担をかけるので、内臓器官が未発達な赤ちゃんに与えるミルクを作るのは避けたほうがよいでしょう。
現在「Vittel」の販売は、輸入商社・販売元が日本国内販売を終了したため、並行輸入品のみなのですが、品薄のようでネット通販では売り切れや在庫切れとなっています(2021年4月現在)。
硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターを探してみよう
硝酸態窒素がゼロのミネラルウォーターを探すには、飲もうと考えているミネラルウォーターを測定してみるのが最も手っ取り早いです。測定方法や実際に測ってみた結果、測定以外の探し方のコツも紹介していきます。
水の硝酸態窒素を測定する方法
硝酸態窒素は測定キットを使用すると簡単に測定できます。難易度は小学生の理科の実験レベルなので、手順通りにやれば難しくはありません。
以下で手順を説明します。動画も参考にしてください。
- 測定キットを開封します
- 測定したい水を、未使用のプラカップや紙コップなどの容器に注ぎます
- 測定チューブを取り出し、ピンを引き抜きます
- 測定チューブの穴の開いたほうを上にして、底の方に試薬を集めます
- 指で測定チューブの下半分を押し、空気を抜きます
- 指はチューブを押したままにしておきます
- 容器に注いだ水に測定チューブの穴の部分を浸し、指を離します
- 測定チューブ内に水が取り込まれたら、容器から測定チューブを抜き軽く左右に5、6回振ります
- 測定チューブを台の上などに置きます
- 3分経過後、標準色サンプルと比較して水の汚染度を調べます
硝酸態測定キットは、以下から購入できます
いろんなミネラルウォーターを測定してみた
今回取り上げた「富田の水」「水彩の森」と「クリスタルガイザー(シャスタ水源)」について測定してみましたので、結果を紹介します。
実は、「クリスタルガイザー(シャスタ水源)」は、ネット上の情報で硝酸態窒素が不検出で有名なミネラルウォーターです。
しかし、公式サイトを見ると、亜硝酸態窒素はゼロですが、微量ながら硝酸態窒素が含まれているようなんですね(画面下部の「亜硝酸態窒素は不検出です」のボタンを押すと開く分析表の赤枠の1行下の行に記載されています)。
そこで今回、取り上げた他のミネラルウォーターと共に測定してみました!
硝酸態窒素測定パックテストのパッケージはこんな感じです。

開封すると測定チューブが1本ずつ個包されています。

測定チューブです。底に試薬が入っています。緑色のピンを引き抜いて使用します。

測定結果です。



測定したいミネラルウォーターを取り込んだ測定チューブ内の液体が透明なら硝酸態窒素ゼロ、色が濃くなるほど硝酸態窒素が多く含まれています。
向かって左から、「クリスタルガイザー(シャスタ水源)」「水彩の森」「富田の水」「自宅の浄水器を通した水道水」です。
やはり、「クリスタルガイザー(シャスタ水源)」は微量ながら硝酸態窒素が含まれているようです。0.2mg/L程度でしょうか。「富田の水」「水彩の森」はゼロでした。「自宅の浄水器を通した水道水」は、0.3~0.4mg/L程度でしょう。
硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターをうまく探すコツ
硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターをうまく探すのには、測定してみるのが一番ですが、「近隣や採水地よりも標高の高いところに農地や住宅地がないか」を見ることである程度、汚染度を予測できます。
硝酸態窒素の汚染が発生する原因は、肥料や生活排水、植物のたんぱく質、動物の糞尿なので、近隣や採水地よりも標高の高いところに硝酸態窒素の汚染が発生する原因がなければ、水が汚染されている可能性は低いというわけです。
あくまで参考程度ですが、硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターを探す目安にはなるかと思います。
ミネラルウォーター選びの予備知識
水の味は、実は硬度と密接な関係があります。硬度が高い水の方がミネラル豊富ですが、味としては飲みにくくなります。とくに日本の水は、水道水もミネラルウォーターも軟水(硬度100mg/L以下)が多いので、硬度の高い水は飲みにくいと感じる人が多いです。
よく知られているミネラルウォーターの商品名と硬度を列記しました。硬度が低い水の方が飲みやすいのが一目瞭然だと思います。毎日飲むものなので、味にもこだわりたいと感じる方は参考にしてください。
- 温泉水99:硬度2
- 屋久島縄文水:硬度12
- アサヒ おいしい水 富士山のバナジウム天然水:硬度19
- サントリー 南アルプスの天然水:硬度30
- 日田天領水:硬度32
- クリスタルガイザー(シャスタ水源):硬度38
- 金城の華:硬度50
- 富田の水:硬度56
- キリン アルカリイオンの水:硬度59
- ボルビック:硬度62
- 水彩の森:硬度105
- エビアン:硬度304
- Vittel:硬度307
- コントレックス:硬度1468
硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターがやっぱり安心!

硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターのメリットは「酸素欠乏症を引き起こす可能性がないこと」「発がん性物質発生の心配がないこと」でした。そして、硝酸態窒素ゼロのミネラルウォーターは今や貴重であることが、わかっていただけたかと思います。
硝酸態窒素ゼロの安全なミネラルウォーターを手に入れるには、ここで紹介した水を購入して味見してみるのもよいですし、自分が普段飲んでいるミネラルウォーターや水を測定してみるのもよいでしょう。
この記事が、硝酸態窒素ゼロの安全なミネラルウォーターを手に入れるのに、お役に立てば幸いです。