ヨガでは、基本のあぐらの姿勢をスカーサナ(安楽座)といいます。ヨガで必ず登場すると言ってもいいポーズの1つです。しかし、ヨガ初心者ではあぐらができない、あぐらのポーズがつらいと思う人も多いようです。
この記事では、ヨガであぐらができない原因と解決方法を解説します。記事を読むと、ヨガであぐらができない人も上手にあぐらができるようになる方法がわかります。
ヨガであぐらができない原因とは
ヨガであぐらができない原因は主に3つあります。
- 股関節とお尻周りの筋肉に柔軟性がない
- 足首に柔軟性がない
- 股関節・膝・足首のいずれかに疾患を抱えている
また、ヨガであぐらができない状態も人によりさまざまですが、よく聞かれるのが「股関節・お尻・太もも・膝・足首のどこかに痛みがあり膝を床の方におろすことができない」「ヨガのあぐらでは骨盤を立ててと言われるが、どうしても骨盤が後傾し、猫背になってしまう」というものです。
股関節・膝・足首のいずれかに疾患を抱えている場合は、その部位を治療するしかありません。しかし、とくに問題がない場合はいずれの状態でも、まずは股関節とお尻周りの筋肉を柔軟にすることであぐらができるようになります。
股関節・膝・足首の動きや働きは密接に関連しており、柔軟性がなく可動域が狭くなった股関節の動きを補うため膝に負担がかかるといったことが起こりがちです。足首が硬いことで股関節がうまく外側にうまく開けないという場合もあります。
ヨガであぐらができない悩みを解決
ヨガであぐらができない悩みを解決するのには、原因となる部位の柔軟性を高めることが大切です。体の部位別に柔軟性を高める方法を紹介します。
原因となる部位にトラブルを抱えている人は、先にその部位を治療するか、ぐれぐれも無理のないようにおこなってください。
股関節とお尻周りの筋肉に柔軟性がない場合
ヨガであぐらができないときは、まず股関節とお尻周りの筋肉を柔軟にすることが大切です。股関節とお尻周りの筋肉で柔軟にしなければならないのは以下の筋肉です。
- 外転筋(群):中臀筋・小臀筋・大腿筋膜張筋など
- 外旋筋(群):梨状筋など
- 伸筋(群):大臀筋・大腿二頭筋など
- 内旋筋(群):大腿筋膜張筋・小臀筋など
- 内転筋(群):大内転筋・短内転筋、薄筋、恥骨筋など
大腿筋膜張筋は、外ももの筋肉で、ここが硬くなると大臀筋・中臀筋などのお尻の筋肉も硬くなってしまいます。大臀筋は、お尻の表層筋で、股関節を伸ばたり、太ももを軸に外側へひねったりするときに使われる筋肉です。
中臀筋は、大臀筋よりもお尻の上側に位置し、一部は大殿筋の奥側に位置する筋肉です。股関節を外側に回転させて脚を付け根から外側に開く動作で使われます。
梨状筋は、お尻の奥側に位置し、仙骨から脚の付け根にかけての筋肉で、股関節を外側にねじるときに使われる筋肉です。
内旋筋(群)、内転筋(群)は、股関節を内側にねじる働きや内側に回転させるときに使われる筋肉です。外側に股関節を開くあぐらの姿勢には関係がないように思われますが、対になる内側への動きが悪いと逆の外側への動きも悪くなってしまいます。
よって、外側に股関節を開くには、内旋筋(群)、内転筋(群)もストレッチしてあげることが大切です。
実際のストレッチ
以下の動画では、外転・外旋・内旋・内転に関わる筋肉をストレッチしています。
以下の動画では、お尻の奥側にある梨状筋をストレッチしています。
大臀筋と内転筋をストレッチしている動画です。
足首に柔軟性がない場合
ヨガであぐらができない理由が、足首が硬いからという人は足の甲側の柔軟性を高めるストレッチをおこなってみましょう。
足がつりやすい人は、無理のないようにおこなってください。
また、あぐらをかくときの足首の角度も重要です。以下の動画で、あぐらをかくときの正しい足首の向きを解説しているので参考にしてみてください。
骨盤が後傾してしまう場合
骨盤が後傾し猫背になってしまう場合は、股関節とお尻周りの筋肉を柔軟にした後、補助具を使って練習することで背筋を伸ばし骨盤を立ててあぐらができるようになります。
ヨガクッションやヨガブロック、ブランケット、座布団などを坐骨の下にしいて、あぐらの姿勢をとってみましょう。骨盤が立てやすくなります。そして、骨盤が立てられるようになったら、徐々に高さを低くしていきましょう。
ヨガであぐらができない原因と解決方法まとめ
ヨガであぐらができない場合は、股関節とお尻周りのストレッチをおこなってみましょう。このとき、外旋・外転に関わる筋肉だけでなく、股関節を伸ばすための筋肉や内旋・内転に関わる筋肉もストレッチしてあげることが大切です。
足首の柔軟性に問題がある場合は、足首のストレッチもおこない、あぐら姿勢での足首の形にも気をつけてみてください。骨盤を立てにくい場合は補助具をつかうのもおすすめです。
あぐらの姿勢に必要な部位の柔軟性が高まれば、ヨガであぐらができない悩みは解決できます。