この記事では、ヨガローラーの使い方を注意点とともに解説します。通っているヨガ教室で、いろいろなヨガローラーを体験させていただく機会があり、その体験を元にした内容です。
ヨガローラーは、別名、フォームローラーや筋膜リリースローラーとも呼ばれ、短時間使用するだけで、体がほぐれ筋膜の状態を整えることができるアイテムです。
使い方も簡単で、正しく使用すれば、運動不足の人から日常的にハードなトレーニングをおこなうアスリートまで、使う人を選ばずに効果を得られます。
ヨガローラーを使ってみたいと考えている人や、ヨガローラーに興味がある人には必見の内容となっているので、ぜひ最後までお付き合いをお願いします。
ヨガローラーの基本的な使い方
ヨガローラーの基本的な使い方は、以下の手順です。
- コリをほぐしたい箇所や筋膜リリースしたい箇所と、床もしくはマットの間にローラーを置きます
- ローラーの凹凸が場所によって異なる場合は、好みの凹凸があたるように置きなおします
- 体を腕や脚、腹筋などで支え、体を動かし前後左右にローラーを転がしてマッサージします
ヨガローラーを気になる部分に当たるように置いて、軽く体重をかけて転がすだけなので簡単にできます。
ヨガローラーの用途・効果
ヨガローラーの主な用途は、「筋膜リリース」と「コリほぐし」です。筋膜の状態が整ったり、コリやむくみが解消されたりすることで以下のような効果が得られます。
- 血行改善
- 自律神経の働きが整う
- 筋肉が柔軟になる
- 筋肉痛の予防
- 疲労回復
- 冷え改善
- 体が楽になる
- セルライト解消
ヨガローラーの使用により、筋肉が柔軟になり関節の可動域も広がるので、ヨガやスポーツのウォームアップに使用すると効果的です。ケガの予防にもなります。また、スポーツ後の疲労回復として使用したり、コリほぐしなど体のメンテナンスとして使用したりできます。
筋膜とは?筋膜リリースとは?
筋膜とは、筋肉や血管、神経などを包んでいる組織です。「筋膜」という名称ですが、一枚の膜というよりは、どちらかというと網目状の組織で、ボディスーツのように全身を覆っています。
筋膜は、水分多く含む組織で、柔らかくかつ多くの層が折り重なるような構造です。このため、水分が不足したり、同じ姿勢をとり続けたり、同じ動きを繰り返すことで癒着しやすいのが特徴です。筋膜が癒着してしまうと、筋肉をスムーズに動かせず、コリや痛みの原因となります。
この筋膜の癒着を、解きほぐしてあげるのが筋膜リリースなのです。
ヨガローラーを使用する際の注意点
ヨガローラーを使用する際は、以下のことに注意しましょう。
- 負荷をかけすぎず、痛気持ちいい手前までにする
- 強すぎる負荷がかからないようにしっかりと身体を支える
- 初心者は1部位につき20秒程度からスタートし、慣れてきたら45~60秒程度にする
- 長くても1部位につき2分程度にする
ヨガローラーを使用する際は、負荷をかけすぎないよう、痛気持ちいい手前程度の刺激になるよう力を加減しておこないましょう。
とくに初心者では、体をうまく支えられず、ヨガローラーに体重を全てあずけてしまいがちですが、それでは刺激が強すぎるので心地よい刺激になるように脚や腕、腹筋や背筋で体を支えます。
初心者や筋力が足りない運動不足の人は、長い時間体を支えるのは難しいかと思いますので、1部位につき20秒程度の短い時間からスタートしてください。強い刺激や長い時間刺激を与えすぎると、内出血やもみ返しが起こったり、逆に筋肉が硬くなってしまったりするので注意が必要です。
また、ヨガローラーを使用する際、体を支えたときに滑りやすいと感じる場合は下にヨガマットをひくのがおすすめです。ヨガマットを持っていない人は、ヨガマットをお得に購入するコツについて書いている記事があるので参考にしてみてください。
ヨガローラーの使い方②部位ごとの使い方
ヨガローラーの使い方は部位ごとに違います。効果的に使用できるよう、正しい位置にヨガローラーを当て、しっかりと体を支えたうえでおこなってください。
ヨガローラーの使い方(足裏の筋膜リリース)
足裏にある足底筋膜をリリースする場合の使い方です。
- 立って、足の土踏まず部分に当たるようヨガローラーを置きます
- 壁などに手をついて、ヨガローラーが置いてある側の足に体重をのせ前後に転がします
- 反対側も同様におこないます
足底筋膜は、足裏にかかる衝撃を吸収する役割を持っているので、疲労すると痛みが出たり、足裏で地面をとらえる力や蹴り上げる力が弱くなったりしてしまいます。しっかりほぐしていきましょう。
足裏の筋膜リリースは、体を支えるのが楽なので初心者にもおすすめです。
ヨガローラーの使い方(ふくらはぎのむくみ解消・筋膜リリース)
ふくらはぎにある腓腹筋やヒラメ筋をほぐす場合の使い方です。
- ひざを立てて座り、片脚のふくらはぎと床の間にヨガローラーを置きます。
- お尻の後ろに手をついて、足・腕で身体を支えます
- つま先を左右に傾けてみて気持ちの良い部分や、コリやむくみが感じられる部分に当たるようにします
- ヨガローラーを前後に動かします
- 反対側も同様におこないます
- 負荷を強めたい場合は、ヨガローラーを下に置いていない方の足をローラーがある側の足の上に重ねると負荷が強まります
ふくらはぎの筋肉は、足首の働きや脚のむくみに関わっています。ふくらはぎの筋肉が疲労すると、足首の動きが悪くなったり、脚がむくんだりしてしまいます。ほぐすことで、足首への負担が軽くなり、脚のむくみも解消します。
ふくらはぎのほぐし・筋膜リリースも比較的体を支えるのが楽なので、初心者にもおすすめです。
ヨガローラーの使い方(太もものむくみ解消・筋膜リリース)
太ももの裏側や太もも前側、太もも外側のむくみ解消・筋膜リリースのやり方を紹介します。
太ももの裏側
太ももの裏側にあるハムストリングスなどをほぐすやり方です。
- ひざを立てて座り、片脚の太ももの裏側中央部分にヨガローラーを置きます。
- お尻の後ろに手をついて足・腕・腹筋で身体を支えます
- ヨガローラーを前後に動かします
- 反対側も同様におこないます
太ももの前側
太ももの前側の大腿四頭筋をほぐすやり方です。
- うつ伏せになり、太もも前側と床の間にヨガローラーを置きます
- ひじを曲げて身体を支え、ヨガローラーを下に置いていない方の足は膝を曲げ体の外側におろします
- 体全体は床に対して平行になるようにしてください
- 腕・床におろした膝~太もも・腹筋で体を支え、ヨガローラーを前後に転がします
- 反対側も同様におこないます。
太ももの外側
太もも外側の大腿筋張筋や腸脛靭帯をほぐすやり方です。
- 横向きに寝てひじを曲げてつき、体を起こします
- 上になっている方の足の膝をまげ体の前側にもってきます
- ヨガローラーを下になっている方の脚の太ももと床の間に置きます
- ヨガローラーを前後に動かします
- 反対側も同様におこないます
太ももは座りっぱなしの姿勢でむくみやすく、ハイヒールやパンプスをよく履く人は太ももの前側が硬くなりがちです。また、太ももの外側が硬くなると、股関節の動きが悪くなり、腰痛や坐骨神経痛の原因となります。
日常の疲れがたまりやすい部分なのでしっかりほぐしていきましょう。
ヨガローラーの使い方(お尻周りのこり解消・筋膜リリース)
お尻周りの臀筋や深層外旋六筋をほぐすやり方です。
- ひざを立てて座り、お尻の後ろに手をついてお尻を持ち上げ、ヨガローラーの上に座るようにします
- ほぐしたい方のお尻をヨガローラーにのせます
- 体を軽く左右に傾けてみて気持ちの良い部分や、コリやむくみが感じられる部分に当たるようにします
- ヨガローラーを前後に動かします
- 反対側も同様におこないます
お尻も座りっぱなしの姿勢でこりやすい部分です。お尻がこっているのも腰痛や坐骨神経痛の原因となりますので、忘れずほぐしていきましょう。
ヨガローラーの使い方(肩こり予防・肩甲骨周りの筋膜リリース)
背中側の肩甲骨周りや、脇の下のこりや筋膜リリースのやり方を紹介します。
背中側の肩甲骨周り
背中側の肩甲骨周りの脊柱起立筋、僧帽筋、広背筋などをほぐすやり方です。
- ひざを立てて仰向けになり、肩甲骨の下あたりにヨガローラーを置きます
- 手は頭の後ろで組み、頭を支えるかお腹の上で組むようにします
- 軽く背は丸め、顎を引きます
- ひざの曲げ具合を変化させ、ヨガローラーを前後に転がします
脇の下
脇の下の前鋸筋、広背筋、大円筋などをほぐすやり方です。
- 横向きに寝て、下になっている方の腕を軽く曲げ頭の上の方に伸ばします
- ヨガローラーを脇の下にくるように置きます
- 脚は軽く膝を曲げて上下に重ね、上になっている方の腕は体の前側について支えます
- 体を軽く天井側や床側に傾けてみて気持ちの良い部分や、コリが感じられる部分に当たるようにします
- ヨガローラーを前後に動かします
- 反対側も同様におこないます
肩周りは、特にデスクワークやスマートフォンの使用などでこりやすい部分で、効果がとても期待できる場所ですが、筋肉にあまり厚みがなく骨が近いので痛みも感じやすい部分です。
無理せずほぐしていきましょう。
ヨガローラー使い方まとめ
ヨガローラーは、短時間の使用で体がほぐれ、筋膜の状態を整えることができます。使い方も簡単で手軽にできるのが利点です。体がほぐれ筋膜の状態が整うと、日常の動作が楽になったり、スポーツでのパフォーマンスがあがったりするなどさまざまなよい点があります。
とくに効果的な部分について筋膜リリースやコリほぐしのやり方を紹介しましたが、他にもいろいろな部位を手軽にほぐすことができるので、ぜひ日常生活の中に取り入れてみてください。