花粉症の季節に、朝、寝起きの状態でいきなり連続してくしゃみが出たり、鼻水が出たりといった症状が出ることはありませんか?
朝、寝起きの状態でくしゃみや鼻水がひどく出る症状はモーニングアタックと呼ばれ、花粉症に限らずアレルギー疾患をもつ人が経験する不快な症状の一つです。
この記事では、自律神経をコントールすることなど、日常生活の中で誰でも簡単にできる、寝起きのくしゃみ・鼻水などの不快な症状を改善する方法を紹介します。
寝起きのくしゃみ・鼻水を止めるには?
寝起きのくしゃみ・鼻水を止めるには、自律神経をコントロールすることや寝室の清掃に気を配ることが大切です。具体的な方法を解説していきます。
寝起きのくしゃみ・鼻水を止める方法①朝は交感神経の切替促進!
寝起きのくしゃみ・鼻水を抑えるには、自律神経が交感神経へ切り替わるのを助けてあげることが大切です。自律神経が交感神経へ切り替わるのを促進するには胸を開くストレッチが有効なので、朝の起床時におこなってみましょう。
以下の動画を参考に胸を開くストレッチをおこなってみてください。数分でできる簡単なものなので、時間のない朝でもできるかと思います。
また、朝起きたらカップ1杯の白湯を飲むのもおすすめです。水分をとることで胃腸を刺激して交感神経への切り替わりを促進します。
さらに効果を高めるため、白湯にレモンを数滴入れる「レモン白湯」を飲む健康法があります。海外のセレブも実行している人が多い話題の健康法ですよね。
この白湯に数滴入れるレモンを花粉症のアレルギー症状によいとされる柑橘類の「じゃばら果汁」に置き換えてみましょう。くしゃみや鼻水により効果が期待できる白湯となり、おすすめの方法です。白湯を用意し、その中にじゃばら果汁を数滴たらします。
起床時は、自律神経が副交感神経から交感神経に切り替わるときで、目や鼻の粘膜が一時的に敏感になります。
スムーズに副交感神経から交感神経に切り替わると、ひどいくしゃみや鼻水に悩まされることもないのですが、いつまでも交感神経のスイッチがONにならない状態では、アレルギー症状が強く出てくしゃみや鼻水に悩まされることになります。
寝起きが悪く、朝なかなかすっきりと起きられない人はこの副交感神経から交感神経への切り替わりがスムーズにできていない可能性が高いので注意が必要です。
交感神経と副交感神経
交感神経と副交感神経は、優位なときにそれそれ次のような反応が体に起こります。
- 血管が収縮し、血圧上昇
- 心拍の増加
- 瞳孔がひらく
- 消化抑制
- 気管拡張
活動性や集中力が高まり、興奮状態となり、呼吸は浅く荒くなります。消化が抑制されるので、食欲もわきません。
- 血管は弛緩、血圧は低下
- 心拍は減少
- 瞳孔は小さくなる
- 消化抑制
- 気管は収縮
体はリラックスした状態となり、消化が促進されるので、食欲がわいてきます。気管が収縮するので、ゆったりとした呼吸になります。
自律神経は、交感神経・副交感神経のどちらかだけが強く働けばよいというものではありません。交感神経が優位になりすぎると、免疫力が下がり病気にかかりやすくなりばかりでなく、不眠や高血圧症、虚血性心疾患などの原因となります。
逆に、副交感神経が優位になりすぎると、アレルギー症状が強く出たり、集中力の低下や頭痛、体がだるいなどの症状がおこったりします。交感神経・副交感神経をバランスよく働かせることが大切です。
自律神経はストレスや過労、寒暖差、気圧の差などで比較的簡単に乱れてしまいます。自律神経が乱れているなと思ったら意識して整えてあげましょう。
寝起きのくしゃみ・鼻水を止める方法②自律神経を整える
寝起きのくしゃみ・鼻水を抑えるには、自律神経が交感神経へ切り替わるのをサポートするとともに、普段から自律神経を整えておくことも重要です。1日の中で適切に交感神経・副交感神経が切り替わることで、寝起きのくしゃみ・鼻水も起こりにくくなり、体調もよくなります。
アレルギー症状が出ないようにするには、交感神経がずっと優位な方がよいのでは?と思ってしまう人もいるかもしれませんが、先の項で紹介したように病気にかかりやすくなったり、気が緩んだ時に一気に副交感神経が優位になりひどいアレルギー症状に見舞われたりしてしまうことになるので、よくありません。
自律神経を整えるには以下の方法があります。
- 快適に眠り、すっきり起きられるようにする
- 入浴時は湯船につかる
- バランスの良い食事を心がけ、腸内環境を整える
- 適度に運動する
一つずつ解説していきます。
快適に眠り、すっきり起きられるようにする
快適に眠り、すっきり起きられるようにするには、まず起床時に朝日を浴びましょう。朝日を浴びることで眠りを誘うホルモンである「メラトニン」の分泌が抑制され、体が覚醒し活動モードになります。体が活動モードになると、交感神経への切り替わりも促進されます。
さらに寝る前は、スマートフォンやPCの画面を見すぎないようにしましょう。スマートフォンやPCの画面から発生するブルーライトを見続けると体は昼間だと勘違いしてしまい、覚醒して交感神経が活発になってしまいます。こうなると眠れなくなりますので、眠る1~2時間前はスマートフォンやPCの画面を見るのをやめましょう。
快適に眠り、すっきり起きられるようにすることで、朝もスムーズに自律神経が副交感神経から交感神経に切り替わります。
入浴時は湯船につかる
夜はシャワーだけで済ませず、湯船につかりゆったりと入浴しましょう。入浴は寝る時間の90分前、温度は40度程度がおすすめです。42度以上の熱いお風呂は、逆に交感神経が優位になってしまうので注意が必要です。
人は、体の表面温度と深部温度の差が少なくなったときが、最も眠りやすくなります。じっくりと体の深部まで温まり、温度が上がると、体は深部温度を下げ表面温度との差を少なくしようとします。深部温度が十分下がるのに約90分程度かかるので、寝る時間の90分前の入浴がおすすめなのです。
体が温まり、末端にある血管まで広がって血行がよくなると、手足からスムーズに熱が放散され体の深部体温が下がり眠りやすくなる効果もあります。さらに、首を温めると副交感神経が活性化し、眠りやすくなる効果もありますので、お風呂でじっくり温まり眠る準備をしましょう。
また、花粉症のアレルギー症状緩和においても入浴で湯船につかるのは効果的です。体や鼻が温まるので、鼻詰まりや鼻水を一時的に改善できるだけでなく、湯気を吸い込むことで鼻腔内に湿り気を与えて侵入した花粉も排出されやすくなり、寝起きのくしゃみや鼻水を防ぐ効果があります。
湯船につかる入浴では、入浴剤を使用すると、さらに温浴効果などが高まります。入浴の効果やおすすめの入浴剤を紹介している記事があるので参考にしてみてください。
バランスの良い食事を心がけ、腸内環境を整える
食生活では、ビタミンやミネラル、トリプトファンを含む食事をしっかりとることと、腸内環境を整えることが大切です。粘膜を保護し、自律神経を調整する働きのあるビタミンA、交感神経の働きを高めるマグネシウム、メラトニンの生成を促すトリプトファン、ビタミンB6などが意識してとりたい栄養素です。
- ビタミンAを多く含む食材:鶏レバー、ウナギなど
- ビタミンB6を多く含む食材:カツオ、マグロ、レバーなど
- マグネシウムを多く含む食材:アーモンドなどナッツ類、貝類など
- トリプトファンを多く含む食材:豆類や乳製品など
また、発酵食品と不溶性・水溶性の食物繊維を積極的にとり、腸内環境を整えましょう。腸内の善玉菌のエサとなるオリゴ糖もおすすめです。
- 発酵食品:納豆、味噌、醤油、酢、甘酒、漬物、キムチ、ヨーグルトなど
- 不溶性食物繊維を多く含む食材:穀類、豆類、ココア、野菜、きのこなど
- 水溶性食物繊維を多く含む食材:海藻類、長芋・山芋、果物など
適度に運動する
自律神経を整えるのに、適度な運動は不可欠です。といっても、ハードな運動は必要ありません。ストレッチやヨガなどを無理のない範囲で行うだけでも十分な効果があります。眠る前の10分など毎日少しずつ続け、時間が取れるときに30分~1時間ほどじっくり動いてみるのがおすすめです。
ストレッチでリラックスすると自律神経が整うことは科学的にも証明されていますし、ヨガでは自律神経を整える動きがたくさん取り入れられており、自律神経の調整を目的とするヨガのレッスンもあるほどです。さらにヨガでおこなわれる呼吸法は、自律神経を整える効果があります。
自律神経を整えるヨガのポーズで簡単にできる代表的なものは「キャット&カウのポーズ」や「ワニのポーズ」などです。簡単なので動画を見ながらトライしてみてください。
最近は、オンラインでも手軽にできるヨガ教室があるので、生活に取り入れてみるのもいいでしょう。オンラインのヨガ教室をレビューした記事やヨガについて記載している記事があるので参考にしてみてください。
寝起きのくしゃみ・鼻水を止める方法③寝室を掃除する
最後に、寝起きのくしゃみ・鼻水を止めるのに大事なことは、寝室を掃除することです。せっかく、自律神経を整えても睡眠中に花粉やハウスダストをたくさん吸い込んでしまっては、アレルギー症状が出てしまいます。花粉はほこりなどとともに床にたまりやすいので、しっかりと掃除しましょう。
また、寝具を清潔に保つことも重要です。汚れているとやはりアレルギー症状が出る原因となりますので、こまめに洗濯しましょう。
寝起きのくしゃみ・鼻水対策まとめ
寝起きのくしゃみ・鼻水を止めるには、起床時に副交感神経から交感神経へ切り替わるのを促すため、胸を開くストレッチや白湯を飲む対策を実行してみましょう。また、普段から自律神経を整え、寝室をきれいにしておくことで寝起きのくしゃみや鼻水などのモーニングアタックを軽減できます。
自律神経を整えるには「快適な眠り」「湯船につかる入浴」「バランスよい食事」「適度な運動」が大切です。生活を見直し自律神経を整えて、朝はスムーズに自律神経が副交感神経から交感神経に切り替わるようにすることで寝起きのくしゃみや鼻水は起こりにくくなります。